日本ヘーゲル学会倫理綱領
令和三年六月一二日制定・施行
(前文)
日本ヘーゲル学会は、ヘーゲルの哲学・思想に関する研究を促進し、研究者相互の交流を図ることを目的とする(日本ヘーゲル学会規約第二条)。日本ヘーゲル学会会員は、このことを自覚し、学会運営及び研究活動において、この目的を阻害するようなことがあってはならない。本学会はすでに「日本ヘーゲル学会危機管理規定」(二〇一二年制定)第二条で、「本会における学術活動でなされた盗作・盗用等行為、本会及び本会員の名誉を傷つける行為、並びに本会の円滑な運営を妨害する行為を規制し、必要に応じてこれを行った会員に対して本会としての必要な措置を講ずる」と規定しているところであるが、「危機管理規定」の適用範囲を明確にし、その運用の実効性を高めるために、会員が尊重し遵守すべき事項の範囲を倫理綱領としてここに定める。
第一条 本学会の運営にあたって、会員は、公正を維持し、性別・年齢・国籍・人種・宗教・性的指向・民族的背景・障害の有無・家族状況などによって、差別的な扱いをしてはならない。とりわけ、本学会へ投稿される論文、および、本学会での発表の希望に関して、その審査にあたる会員は、公正を保った審査を行わなければならない。
第二条 会員は、本学会を、会員相互の知的研鑽のための開かれた場所として確保することに努めなければならない。とりわけ、会員どうしの自由な討論を阻害したり、特定の会員への誹謗中傷を行うことは、許されない。
第三条 会員は、セクシャル・ハラスメント、アカデミック・ハラスメント・パワー・ハラスメントなど、ハラスメントに当たる行為をしてはならない。
第四条 会員は、研究資金を適正に取り扱わなくてはならない。
第五条 会員は、研究のオリジナリティを尊重し、剽窃・盗用や二重投稿等、学術倫理に反する行為をしてはならない。
第六条 会員は、第一条、第二条、第三条、第四条、第五条への侵害と思われる行為に関して、日本ヘーゲル学会事務局倫理担当窓口を介して、日本ヘーゲル学会理事会に訴えることができる。
二 不正行為等の訴えがなされた場合、日本ヘーゲル学会事務局研究倫理担当窓口は、このことを日本ヘーゲル学会理事会に速やかに報告し、理事会は、倫理委員会において、訴えの内容を検討のうえ、必要があれば、調査委員会を設置することができる。なお、倫理委員会については、別に定める「倫理委員会規程」によるところとする。
調査にあたっては申立者および申し立てを受けた側のプライバシーに配慮する。
第七条 調査委員会の設置および設置後の手続きの詳細については、日本ヘーゲル学会危機管理規定第4条以下の諸規定に譲る。
倫理委員会規程
令和三年六月一二日制定・施行
第一条 事務局内に研究倫理担当窓口を設置する。
第二条 理事会内に倫理委員会を設置する。
倫理委員会は常設とし、期間は理事会の任期と同じとする。
委員会は理事を含む五名から構成される。
倫理委員会の構成にあたってはジェンダーバランスに配慮するものとする。
第三条 倫理委員会は研究倫理のモラル向上の啓蒙活動を行う。
第四条 倫理委員会は訴状を精査のうえ、注意勧告を理事会に対して提案することができる。
第五条 倫理委員会は訴状を精査のうえ、調査委員会設置を理事会に対して提案することができる。