日本ヘーゲル学会研究倫理規程

令和三年六月ー二日制定・施行
令和七年六月七日改定

(前文)
日本ヘーゲル学会は、ヘーゲルの哲学・思想に関する研究を促進し、研究者相互の交流を図ることを目的とする(日本ヘーゲル学会規約第二条)。この目的のために会員が尊重し遵守すべき事項の範囲を日本ヘーゲル学会研究倫理規程としてここに定める。

(目的)
第一条 本規程は、日本ヘーゲル学会(以下、「本学会」という)会員が本学会での研究活動及び運営活動において遵守すべき事項を定め、学会として人権を尊重し、公正を堅持し、研究倫理上の社会的責任を果たすことを目的とする。

(会員が遵守すべき事項)
第二条 会員は、次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。

1 会員は、本学会での研究活動及び運営活動において、人権を尊重しなければならず、差別、名誉棄損、誹謗中傷、ハラスメント、ストーキング等の人権侵害に当たる行為を行ってはならない。

2 会員は、本学会での研究活動において、盗用、剽窃、捏造、改竄、二重投稿、不適切なオーサーシップなどの研究不正を行ってはならない。

3 投稿論文及び研究発表に係る審査において、審査に当たる会員は公正を保った審査を行わなければならない。

(申立て等)
第三条 会員は、第二条に対する違反と思われる行為(以下、「非違行為」という)に係る申立て及び情報提供(以下、「申立て等」という)を日本ヘーゲル学会事務局研究倫理担当窓口に対して行うことができる。

2 前項に定める申立て等をする会員(以下、「申立人」という)は、所定の申立書により行うものとする。この場合、申立人は、その後の手続き等において氏名等個人情報の秘匿を希望することができる。

(予備調査の指示)
第四条 申立て等がなされた場合、日本ヘーゲル学会研究倫理担当窓口は、このことを日本ヘーゲル学会理事会に速やかに報告し、理事会は研究倫理委員会に対して予備調査を指示することができる。なお、研究倫理委員会については、別に定める「研究倫理委員会規程」によるものとする。

(予備調査の実施)
第五条 研究倫理委員会は、申立人からの事情聴取又は申立て等に係る書面(情報提供の内容を記録した書面を含む)に基づき、非違行為の可能性の有無について調査する。

2 研究倫理委員会は、必要があるときには、調査対象者から事情を聴取できる。

(予備調査結果に基づく決定)
第六条 研究倫理委員会は、予備調査の結果に基づき、非違行為の可能性の有無を審議し、決定した内容を理事会に報告する。

(本調査)
第七条 理事会は、研究倫理委員会が第六条に基づいて報告した内容に基づき、本調査を開始するか否かを決定するものとする。

2 理事会は、前項の決定について申立人に通知するものとする。

(本調査の実施)
第八条 研究倫理委員会は、本調査の開始を決定した場合には、速やかに調査委員会を設置する。

2 調査委員会は、申立人及び調査対象者からの事情聴取並びに申立て等に係る書面に基づき、非違行為の有無及び懲戒の相当性について調査する。

3 調査委員会は、本調査において、調査対象者からの事情聴取を行わなければならない。

4 調査委員会は、本調査の結果を、原則として調査委員会設置後3ヶ月以内に理事会に報告する。

5 調査委員会に関する事項は、別に定める。

(本調査結果に基づく決定)
第九条 理事会は、本調査の結果に基づき、非違行為の認定及び懲戒の相当性を審議し決定するものとする。

2 理事会は、非違行為の認定にあたっては、調査対象者に対し、書面又は口頭による反論の機会を与えなければならない。

3 理事会は、第1項の決定について申立人及び調査対象者に対して文書でもって通知するものとする。

4 申し立てが虚偽であり、悪意によるものであることが判明した場合は、第十一条に準じた処遇を行う。

(懲戒の手続き)
第十条 理事会は、認定された非違行為に対する懲戒の種類及び内容を審議し決定する。

5 理事会は、会員を懲戒に付すときは、懲戒の種類、内容及びその理由を本人に書面をもって通知しなければならない。

6 理事会は、懲戒について総会で報告することができる。

(懲戒の種類)
第十一条 懲戒は次の五種類とする。

1 代表理事による注意

2 各種委員の活動停止

3 会員の一部資格停止 (大会などの学会企画や懇親会への参加停止、もしくは投稿停止)

4 会員の全資格停止

5 除名

(再調査)
第十二条 第十条第5項に基づき懲戒の通知を受けた会員又は会員であった者は、理事会に対して、次の各号の要件のいずれかを満たす場合には、当該通知を受けた日から3ヶ月以内に、1回に限り、文書にて再調査の申請を行うことができる。

 (1) 調査又は審議に手続上の重大な瑕疵が認められる場合

 (2) 調査又は審議に影響を及ぼすことが明らかな証拠が新たに発見された場合

 (3) 調査又は審議に影響を及ぼすことが明らかな証拠が偽造又は変造等により虚偽であったことが証明された場合

2 前項の再調査に係る申請があった場合、理事会は再調査の要否を審議し、再調査を開始するか否かを決定する。

3 理事会は、再調査の開始を決定した場合は、速やかに再調査委員会を設置する。

4 理事会は、再調査の結果に基づき、第1項の各号の要件のいずれかが認められた場合には、懲戒の取り消し又は変更を行い、それに伴う必要な措置を講じるものとする。

(守秘義務)
第十三条 この規程に定める申立て、情報提供、調査等に関係するすべての会員は、これらの 過程で知り得た秘密を漏らしてはならない。これは各自が会員でなくなった後も同様とする。

(参加の一時停止)
第十四条 理事会または関係する諸委員会に当該の申立て等に係る当事者がいる場合は、その者は当該の案件についての活動(審議・調査・報告等)に加わらないものとする。

(改廃)
第十五条 この規程の改廃は、総会の議を経て決定する。