2023年2月25日
ヘーゲル哲学の研究という共通の目的を追求する日本ヘーゲル学会にも、年齢・ジェンダー・地位などによる関係の非対称性から生じる問題が事実上存在することは否定できません。ハラスメントが関係の非対称性を背景として苦痛を与えることであるなら、わたしたちはだれもがその当事者となる可能性を持っていることを自覚しなければなりません。実際に、日本ヘーゲル学会倫理委員会に対し、先日の大会の際の質疑応答時に倫理的に問題とすべき案件があったという指摘がありました。
研究発表大会がオンラインもしくはハイブリッドで行なわれるようになりコミュニケーションの制限が高まった現在では、倫理的に配慮すべき点をより明確に共有し、客観的な判断のための視点を保持する必要性がより一層増しています。
日本ヘーゲル学会倫理委員会では、こうした認識に立ち、会員のみなさまに以下の提言をいたします。
一、他の会員に対して威嚇的な行動・発言は控える。
二、本人の意図に反したことを強制しない。
三、私的な事柄に立ち入ることは控える。
四、その他セクシャル・ハラスメント、アカデミック・ハラスメント、パワー・ハラスメントなど、いかなるハラスメントも行なわない。
今回の提言は、日本ヘーゲル学会倫理綱領と重なる点もありますが、研究大会をはじめとする各種学会活動が倫理的に健全に行なわれることを目指して倫理委員会においてあらためて作成されました。研究発表の司会者、各種研究会のオーガナイザー、理事会・委員会の代表のみなさまは、健全な倫理的環境が保持されるよう、上記の諸点についてご配慮をお願いします。また、会員のみなさまにも、上記の点のご理解・ご協力をよろしくお願いします。